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第58回 防災一口メモ (2011年3月)
情報提供:宮古島地方気象台
ニンガチ・カジマ-イ(二月風廻り)
沖縄には昔から、ニンガチ・カジマーイ(二月風廻り)と呼ばれる海の荒れる日があります。漁業関係者には、この荒れ日の前後数日を昔から台風に次ぐ海の荒れ日として警戒するよう、今日まで言い伝えられています。
二月風廻りの起源は、十五世紀にさかのぼり、旧暦2月の荒天を指す言葉として史書に記載されています。この時期は、沖縄近海で発生した低気圧が急速に発達して、素早く北東へ進むことから天気の急変が激しく、この様子を先人は「風廻り」と表現したと考えられます。
右の地上天気図は、「ニンガチ・カジマ-イ」のあった2009年3月28日9時のものです。天気図には、沖縄の西の海上に前線を伴った低気圧が解析されており、その後、この低気圧が急速に発達しながら前線とともに沖縄地方を通過したため、沖縄地方では南寄りの穏やかな風が強い北風に急変し、波も急速に高まりました。
この日は、旧暦3月3日(サニツ)の前日にあたり沖縄各地で潮干狩りを楽しむ家族連れがありました。沖縄本島中部の海岸では、潮干狩りの家族が天気の急変であわや遭難という事態になりましたが、幸いにも無事救助されています。
気象台では、事前に波浪注意報を発表して「28日夜の始め頃(午後6時~9時頃)から急に波が高まる見込みです。海上や海岸付近では、高波に十分注意してください」と海上や海岸付近での高波に注意を呼び掛けていました。
高波や天気の急変等が予想される場合は、注意報や警報、高波に関する気象情報等を事前に発表し注意を呼び掛けています。気象台の発表する気象情報は、報道機関をはじめ気象台のホームページでも入手できます。漁業関係者ばかりでなく、海浜での工事や海辺でのレジャーの安全のためには、最新の気象情報を確認し、風の急変や高波に十分注意する必要があります。
宮古島地方気象台
電話:0980-72-3054